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実はセット数は多い方が筋肥大に効果的?セット数が筋力や筋肥大に与える影響について調査した論文を解説

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『重い重量で低回数のトレーニング』『軽い重量で高回数のトレーニング』筋肥大に効果的なのはどっち?

今回はこういった悩みを持つあなたにむけて書いています。筋肥大においてセット数と重量の関係は永遠のテーマの1つです。最近でも『横川式理論』『山本式理論』といった感じで議論が巻き起こったのは記憶に新しいのではないでしょうか。

今ではトレーニングをするほとんどの人がセットを組んでやっていると思います。実際に僕の周りでもそうです。

そしてセットの組み方で最も有名なのは10回3セットではないでしょうか。これは、10回ギリギリを持ち上げれる重量を扱って、10回を1セットとして、それを3セット繰り返すというものです。

ですが、この10回3セットは本当に筋肥大に効果的な方法なのでしょうか。他に『低重量で高回数』、『高重量で低回数』では、どっちが筋肥大に優位なのでしょうか。

そこで、本記事ではこういった悩みを解決するために、セット数が筋力や筋肥大に与える影響について調査した論文を解説したいと思います。

本記事は完璧ではありません。筋肥大には個体差や性別による違いが大きく影響しますので、ここでの方法が最適な筋肥大方法という訳ではありません。

本記事を読めば以下のことが分かります。

本記事のまとめ

  • 本記事で紹介する論文
  • 重量やセット数が筋肥大に与える影響について

それでは上記について解説していきたいと思います。

本記事で紹介する論文について

今回紹介する論文はMedicine & Science in Sports & Exercise (MSSE)という学術誌に掲載されているもものを引用しています。MSSEとはスポーツ医学と運動科学に関する調査、試験、レビューを特徴とした学術誌です運動生理学者、理学療法士、チームドクター、およびアスレチックトレーナー向けに基礎から応用に至る幅広い情報が記載されています。

論文を評価する指標であるインパクトファイクターは5.411です(2022年9月時点)。

MSSEの公式ホームページ

引用元(左:Lopezら著、右:Bradら著

本記事では①の論文の筆者をLopezら、②の論文を筆者をBradらと表記しています。

そしてここでは、MSSEの中にある次の2つの論文をもとに議論を深めていきたいと思います。

紹介する論文について

①のように目的に沿った調査内容を複数まとめたものをメタアナリシスと呼びます。メタアナリシスは様々な条件での調査をまとめ上げているため、普通の論文よりエビデンス(信頼性)の高い特徴があります。

本記事ではそれぞれの論文の特徴を活かして、重量とセット数が筋肥大とマックス重量の増加に与える影響を調査した内容を解説していきたいと思います。

重量やセット数が筋肥大に与える影響について

メタアナリシスによる調査

調査方法

それでは、まずはメタアナリシスについて紹介したいと思います。ここではセットを組むときの重量の違いが筋肥大にどれだけ影響を与えるかを調査していました。

メタアナリシスは複数の論文をまとめる際、いくつかの基準を設けます。これは、基準を設けることでより研究条件の近いもの同士を統合させることができるからです。

今回紹介するメタアナリシスは次の5つを基準に論文をまとめていました。

  • 調査前後での筋量や筋肥大増加について具体的な数値を開示していること
  • 調査期間が6週間よりも長いこと
  • その調査によって具体的な結果が示せていること
  • 血流制限を含む筋力トレーニングを行っていないこと
  • 英語で執筆された論文であること

メタアナリシスの論文で調査に参加した人の情報はこちらです。

調査に参加した人の情報

  • 被験者数:健康な男女747人
  • 平均年齢:23.4±3歳
  • 男女比率(男性:女性 = 67.9%:32.1%)
  • トレーニング経験(あり:なし = 75%:25%)

筋肥大への影響を調査する論文において、調査期間は非常に重要です。なぜなら、短い期間(2週間以内)での調査の場合、何かしらの偶然も結果に反映されるかもしれないからです。調査に参加してくれていた人が失恋してトレーニングに精が出なくなってしまったなど。

そういった偶然を排除するためにも、調査期間が長い方が基本的にエビデンス信頼度が高いです。

上記の基準のもと論文を精査した結果、Lopezらは次の28個の論文に集約させています。セットを組むときの重量を高重量、中重量、低重量の3つのグループに分類したとき、それぞれの論文で比較している内容と論文数をまとめると次の表の通りです。

比較群 論文数
高荷重 vs 低荷重 17
中荷重 vs 低荷重 4
高荷重 vs 中荷重 5
高荷重 vs 中荷重 vs 低荷重 2

高重量、中重量、低重量は次のようにグループ分けしていました。

グループ分けの基準

高荷重 : 8 RM以下、中荷重 : 9~15 RM、低荷重 : 15 RM以上
※高重量は8回ギリギリ持ち上げれない重量でセットを組んでいます

結果

メタアナリシスでは高重量・中重量・低重量の3つのグループに分けて、セットを組むときの重量が筋肥大とマックス重量にどれだけ効果があるかを比較しました。それらを精査した28の論文で比較した結果、次のように結論付けています。

セットを組むときの重量は筋力トレーニングにおいて、筋肥大効果に違いはないが、トレーニングセッション、つまり、セット数が多いグループで筋肥大に有意な差が出た。(このセット数を組むときの重量は高重量でも低重量でも同様の効果が得られたそうです。)

これ最初見たときかなり意外でした。なぜなら高重量の方が筋肥大に効果的だと思っていたからです。セット数の重量は筋肥大にはそれほど関係ありませんでしたが、ギリギリ1回挙げるマックス重量には大きな変化があり、次のように結論づけています。

高重量でセットを組んだ人の98.2%がトレーニング強度に大きな影響があり、扱う重量の増加に効果的である

なんと、高重量トレーニングを行った人の98.2%がトレーニング強度に大きな影響があることが認められており、高重量を扱うこは筋量増加に効果的であることが示唆されています。

これらをまとめると次の通りです。

メタアナリシス まとめ

  • セットを組むときの重量は筋力トレーニングにおいて、筋肥大に違いはない
  • トレーニングセッション、つまり、セット数が多いグループにおいて筋肥大に有意な差が出た
  • 高重量でセットを組んだ人の98.2%がトレーニング強度に大きな影響があり、扱う重量の増加に効果的である

メタアナリシスの調査は複数の論文を統合させる意味でとても信頼性が高いです。ですが、ここの調査には、トレーニング歴のない人も対象にした調査が含まれています。運動習慣のない人はトレーニングをするだけでも筋肥大しやすい傾向にあります。筋トレやダイエットでも最初は効果が出やすいですが、あれと同じです。

そこで、次に紹介する論文ではトレーニング経験のある人のみを対象にした調査結果を紹介します。

トレーニング経験がある人だけを調査した論文

メタアナリシスではトレーニング経験のない人も含まれていました。そこで、ここでは、メタアナリシスを補足する意味でトレーニング経験のある人のみを対象とした調査から、トレーニング経験のある人でもセット数が多い方が筋肥大に効果的なのかを解説します。

調査方法

この調査に選ばれた人の平均は次の表の通りです。

身長 体重 年齢 トレーニング歴
175.0±7.9 cm 82.5±13.8 kg 23.8±3.8 歳 3.8年

身長や体重からして、かなり屈強な感じの人が集められているようです。

被験者は均等になるように3つのグループに割り当てられ、それぞれのグループ間でセット数を変えてトレーニングを行い、筋肥大へどのように影響するのかについて比較を行っています。なお、各グループでのセット数、構成人数、1週間当たりのセット数は以下の通りです。

トレーニング群 セット数 被験者数 1週間当たりの合計セット数
(上半身/下半身)

ロー・ボリューム・グループ

1セット 15人 6セット/9セット
ミドル・ボリューム・グループ 3セット 15人 18セット/27セット
ハイ・ボリューム・グループ 5セット 15人 30セット/45セット

トレーニングセッションについて

トレーニングメニュー

  • 上半身:ベンチプレス、ミリタリープレス、ラットプルダウン、シーテッドローイング
  • 下半身:バーベルスクワット、レッグプレス、レッグエクステンション

その他

  • 上半身よりも下半身の方が筋肥大のためにはより多くのセット数が必要である根拠に基づいてセット数を設定
  • 各セットは8~12回を挙上できる重量で設定し、インターバルは90秒で実施

上記の内容で調査期間を8週間で行い、その期間中のトレーニング頻度は週3回に設定していました

結果

まず、最初に全てのグループにおいて、筋肥大と筋力の向上が認められました。それでは、セット数がそれらにどのように影響するのかについて詳しく見ていきたいと思います。

調査前後での筋肥大効果は、超音波画像法によって筋肉の厚さを測定し、測定部位は上腕二頭筋、上腕三頭筋、大腿直筋、大腿外側広筋の4つの部位で評価していました。その結果は次の画像の通りです。

この結果、筋肥大においては、部位に限らず、セット数がおおければ多い方が効果的であり、その傾向は上半身よりも下半身において顕著に表れていることが確認できます。

一方で、これらのセット数の多い少ないはベンチプレスやスクワットのマックス重量にはそれほど影響しなかったそうです。

ここから、トレーニングのセット数を増やすことは筋肥大に効果的であり、その傾向はトレーニング歴の有無に関係のないことが示唆されます。

まとめ

いかがでしたでしょうか、今回は セット数が筋力や筋肥大に与える影響について調査した論文を解説しました。

本記事をまとめると次の通りです。

本記事まとめ

  • セット数や扱う重量によらず、筋肥大とマックス重量の増加は起こる
  • 筋肥大においては、セット数が多ければ多い方が効果的である一方で、筋力はセット数とは比例しない
  • 特に下半身の筋肉は上半身に比べてセット数に比例して筋肥大効果が高くなる傾向にある
  • これらの結果はトレーニング歴の有無に関係しないことが示唆される

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